君は血と硝煙の臭いを知っているか? 虚淵ワールド入門

Welcom to the UROBUCHI World

今アニメ業界を賑わす『魔法少女まどか★マギカ』から入門した人こんにちわ。


3話のマミりっぷりに戦慄した人も、
振り切って熱狂した人も是非これを機に虚淵作品をプレイしていただきたい。
そんな想いで今回は紹介記事としてまとめてみました。



■エントリーNo.1『沙耶の唄

プレイ時間約5時間。
まどマギには面白さ要素のひとつとして、狂気の世界があげられます。
ゴシックホラー、あるいはクトゥルフ的恐怖感の演出にしびれた方も多いのではないでしょうか?
そんなあなたにぴったりの作品があります。


爛れてゆく。何もかもが歪み、爛れてゆく
交通事故で生死の境をさまよった匂坂郁紀は、
いつしか独り孤独に、悪夢に囚われたまま生きるようになっていた。
彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、
そんな 友人たちの声は決して郁紀に届かない。


そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、
彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。


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一部では究極の純愛物語と称されるこの作品。
ええ、間違ってはいません。間違ってはいませんが……(´・ω・`)


プレイ開始から本能的なゆさぶりがかけられます。
ストーリーが短いのもあってネタバレはしたくないので、多くは語れませんが、非常にショッキングな内容です。
それがゆえに面白い。
題材の土台としては、手塚治虫の『火の鳥』の一編が組み込まれており、オマージュとしても面白い作品です。



■エントリーNo.2『Phantom』

プレイ時間約18時間。


暗黒街で相次いで発生したマフィア幹部暗殺事件。
その影で囁かれる謎の組織"インフェルノ"と、組織最強の暗殺者である"ファントム"の噂…
一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年は、ある事件で偶然にもファントムに遭遇。
その正体は自分と歳が変わらない少女だった!?


それまでの記憶を消され、ファントムのもとで数々の暗殺術を学ぶうちに、いつしか主人公は組織最高の暗殺者にまで成長していく。
陰謀が渦巻く、凶暴で無法な世界に芽生える純愛の行方は何処へ・・・


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2000年、エロゲーの一ジャンルとしての燃えゲーを確立した傑作です。
エロゲーらしさは微塵も感じられず、完全に時流を無視した作品でした。
だが、それが結果的によかった。
ミリタリー専門誌『GUN』に広告を打ち出すなど、プロモーションも試験的で、今まで18禁ゲームに興味のなかった層を取り込むことになったとか。


ストーリーは映画的で本編の大半がアメリカで進行されます。
映画『レオン』や『ニキータ』などが好きな方にはたまらないハードボイルドな作品となっております。




美少女たちが銃を持って戦う……それだけでも燃えてこないかい?



■エントリーNo.3『鬼哭街

プレイ時間約5時間。


間違った未来、誰かが選択を誤った世界。
犯罪結社・青雲幇の牛耳る上海に、一人の男が舞い戻る。
彼の名は孔濤羅
かつては幇会の凶手(暗殺者)であり、
生身のままにサイボーグと渡り合う『電磁発勁』の使い手である。


仲間の裏切りによって外地で死線をさまよった彼が、一年の時を経て上海に戻ってみれば、
すでに裏切り者たちは幇会の権力を掌握し、そればかりか濤羅の最愛の妹までもが辱められ殺されていた。
怒りに身も心も焼き尽くされた濤羅は、その手に復讐の剣を執る。


仇は五人。
いずれ劣らぬ凶悪無比のサイボーグ武芸者たちを、
一人また一人と血祭りに上げながら、
孤高の剣鬼は魔都上海の夜闇を駆け抜ける。


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驚くべきことに選択肢がひとつもありませんw
サイバーパンク+中国拳法という非常にマニアックな取り合わせ。
舞台は魔都上海。主人公も当然ながら中国人。
しなしながら、扱う獲物は日本刀(倭刀)という組み合わせの妙があります。


カンフー映画が好きな人は間違いなくその空気感にしびれるでしょう。
選択肢もなく、ストーリーにもおよそ無駄が見られない。そんなソリッドな作品です。
人を選ぶという意味では虚淵作品随一かもしれませんが、侠気、任侠、そして戦闘と男心をくすぐる要素が沢山散りばめられております。




孔濤羅マカオで死んだ。今ここで剣を執るのは、
 ただ一匹の鬼・・・・・・復讐の、鬼よッ!!」




■外伝 同人小説『Fate/Zero

月姫』で一躍脚光を浴び、後に商業化したTYPE-MOONの作品『Fate/stay night』の外伝小説です。


これは始まり(ゼロ)に至る物語――


TYPE-MOONの大人気ビジュアルノベルFate/stay night待望の外伝!
10年前の第四次聖杯戦争の真相が、いま明らかになる……。
筆を執るのは、ニトロプラスシナリオライター虚淵玄
TYPE-MOON×ニトロプラスによる究極のコラボレーション小説、ここに刊行!


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18禁ゲーム業界では知らぬ人はいないであろうTYPE-MOONと、燃えゲーシナリオの重鎮虚淵玄が組んだだけでも卒倒モノ。
そして、その中身も実に容赦がない。


本家の前日談として生まれた作品なので、『Fate/stay night』をプレイしてからでないとちと分かりづらいところもあると思いますが、興味のある方には是非読んでいただきたい一品。
約束された絶望に向かって、綿密な構成で練り上げられたストーリーには最早『すごい!』の一言しか出ません。


最近になり商業で文庫化されたということもあり、お求めやすくなりました。



虚淵ワールドの魅力とは何なのか?

  • 洗練された無駄のない文体
  • あくまでストーリーの面白さを追求した容赦のない展開
  • 血と硝煙の臭い漂う銃火器描写


全てにおいて言えるのが、とにかくスマート。
とにかく贅肉を削り落とし、硬く固められた作品群は一流のボクサーのようでもあります。


一時は活動縮小していましたが、近年漫画『BLACK LAGOON』のノベライズを書いたり、最前線にてウェブ小説を連載していたりと意欲的に活動されています。

まどマギで一躍脚光をあびることとなりましたが、本質的には文章家ですので、興味を持たれた方には是非一度これらの作品群に触れてみることをオススメ致します。
文章の虚淵はすごいぜ……!


実はまどマギの流れで行くと『吸血殲鬼ヴェドゴニア』がオススメなんですけどね!
詳しくはこちら→『まどかマギカ』3話から見る『ヴェドゴニア』との対比的楽しみ方


今回はあくまで入りやすさと、まどマギからの流れということでピックアップしてみました。
是非お試しあれ!