立ち回りと話し方

上手な話し方、伝え方とは何か?

 最近良く話題になるので取り上げてみるの巻。


 世間ではそんなタイトルのハウトゥー本が山ほど転がっていますが、役に立つものはほとんどありません。それどころか体系的すぎて、実際の会話、会議の速度では頭がそこまで追いつきません。


 では、どうすれば人にうまく伝わる話し方ができるのか?


相手の意見を否定せず聞くこと

 まずこれが第一です。会話や会議というのはディベートではありませんので、勝ち負けを決めるものではありません。ですが、世の中の多くの人が勝ち負けの意識を持ったまま会議に望んでいます。


 こういった心理の裏側には自己顕示欲や承認欲求といったものがあります。まずはそれに逆手にとること。つまりは認めてやればいいのです。そうすれば少なくとも相手はあなたに対する敵対意識を持つことはないでしょう。


話し上手は聞き上手

 『相手の意見を否定せずに聞くこと』というのは会議の場に限ったことではありません。常日頃から相手の意見を認めてやることが大事です。つまりは聞き上手になること。


 聞き上手とは『指摘する』ものではありません。たとえどんな意見でもその根底には相手の本心が隠れているものです。そして会話中、それがポロリと出るはずです。そこを否定せずに認めてやること。ただ決してやってはいけないのが、『背中を押す事』です。


 なぜなら『背中を押す』発言というのは、そこに責任が発生してしまうからです。いざ失敗したとあらば、その責任の一端が降り掛かってきます。人の心は弱いもので失敗した時に最初から自己への責任を追求できる人間は少ないということを覚えておきましょう。


聞き上手が長じて相談役となる

 聞き上手な人には『相談』がやってきます。これは当人にとって重大な決断を迫られるシーンが多いでしょう。


 さて、『相談』において受けて側がはっきりとさせておかなければならないことがあります。それは相手が『あなたの意見を求めているのか』、それとも『自分の意見を後押しして欲しいのか』です。
 前者の場合、相手にとって苦い言葉も言わなければならないこともあります。そうなるとこれまで培ってきた聞き上手の立場が無に帰すことにもなりかねません。相手が何を求め、あなたに相談を持ちかけてきたのかをまずはっきりさせましょう。


聞き上手というのは日常的な根回しである

 ここまで読んでもらえば分かる通り、聞き上手な人というのは相手の承認夜級を満たすポジションに位置することになるので、自然と相手も自分の言葉を受け入れてくれやすくなります。


執着を捨てよ

 会議というのも実は意見の勝ち負けを決める場ではありません。その集団にとって最も有益と考えられる意見を決定し取り入れていく場です。つまり原則的には、誰の意見が採用されようともそこに行き着くまでの流れがどれだけスムーズであるか。また、その後の運用によるフィードバックがきちんとなされるかが重要なのです。


 しかしながら、集団というのは人間の集まりにすぎません。そこには様々な思惑があり、意見があり、派閥があります。これらに執着したとき、あなたがどのような話し方をしようとも意見の決定はなされません。あなたが集団にとっての利益を何よりも追求したときのみ、会議はスムーズにすすみ、意見の決定は迅速になされます。


執着を捨てた先にある自己利益とは

 人間にはそれぞれキャラクターもありますし、自分の意見が採用されるかどうかは常日頃のあなたに対する周りのイメージによることもあります。その中で利益を取る方法は二つあります。


・根回しとモード切り替え
・意見の代弁者を支持する


 一つ目ですが、これはあとで書きますので、とりあえずは2つ目の『意見の代弁者を支持する』について説明します。
 人数が集まる会議という中には、自分と全く同じかかなり近い意見を持つ人間がいるというものです。そういう人は思考的にあなたとかなり近い性質を持っているといえるでしょう。そういった人を見つけた場合、支持をするのです。または補足的な意見を付け足したりしてもいいでしょう。


 会議というのは意見決定の場であって、その後にプランを実行せねばなりません。多くの場合、決定された意見を出したものが筆頭に立ち、周りの者が補佐に付くという形になるでしょう。
 会議の場で、もしあなたがその人の意見をまっさきに支持したり、意見に面白い補足を取り入れたりすれば、実行の段になってあなたにおいしい役回りがやってくるのは明白です。会社などでは上司部下、先輩後輩の関係もありますので、こういった立ち回りのほうが多く使えるかもしれません。


 この構図は聞き上手が多くのフォロワーを作るのと同じですが、特定の有力者と関係性を築けることを考えるとより強固な性質を持っていると考えられます。あなたがその人との関係性を密にしていった暁には、いずれあなたの意見を会議の場で猛プッシュしてくれるかもしれません。


場を席巻する話し方

 あなたの意見が集団にとって有益なものとした上で、それを通すために求められる能力です。上記の聞き上手による根回しも前提とします。


・大きすぎず通る声で話す
・抑揚をつける(重要な単語はゆっくりとはっきりと)
・周りの目を見渡す
・ボディランゲージを加える
・質問は後でまとめて受け付ける


 大まかに書くとこれだけです。しかし、これこそが普段の話し方とは違うモードの入り方です。多くの人が、『モードに入っているつもり』という状態です。なぜそうなってしまうのかというと、おそらくは自分の声をあまり聴いたことがないからでしょう。一度、録音した自分の声を聴いてみてください。音の響き、滑舌の良し悪し、それらから伝わる自身の有無、すべてが不完全でげんなりとさせられます。


 しかし、録音した自分の声を繰り返し聴き、改善点を常にフィードバックしていくことでこれらは割りと簡単に身につけることができます。一定のレベルまで作り込めれば『あなたって〜の時には雰囲気変わるね』などと言われるはずです。


声を良くするツール

 鼻炎持ちの人や、鼻が詰まって聞こえる人は勝負の前に是非点鼻薬を打つようにしましょう。『ナザール』というものがおすすめです。血管収縮剤が入っているため、即効性があり、また持続力があります。


 かくいう自分も重要なシーンでは使っていたりします。鼻が通ることによって明らかに声の通りが違ってくるので、個人的には必須ですね。


まとめ

 ということで、なんだか最近こういった事案で悩んでいる人がいるので自分の書ける範囲でかいて見ました。あくまで僕のケースなので、どこまで宛てになるかわかりませんが、使えるところだけでも使っていただければ幸いです。