Memento Mori,Memento Vevere.
■あらすじ
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2005/03/11
- メディア: DVD
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老朽化したバスルームで対角線上に倒れていたふたりの男ゴードンとアダム。
その間には自殺死体が。足を鎖でつながれた男たちに与えられたのは、テープレコーダー、一発の弾、タバコ2本、着信用携帯電話、2本のノコギリ。
犯人から告げられたメッセージは「6時間以内に相手を殺すか、自分が死ぬか」。犯人はジグゾウ。警察に追われている連続殺人鬼。
彼がこれまで犯した犯罪とは…そしてふたりの運命は…。
ということで連休を利用して『SAW』シリーズを一気見してます。DVDレンタルもネットで出来るようになったり、『Hull』みたいな定額配信サービスが本格的に普及し始めたり、こうやってますますコンテンツ業界はおのが首を締めていくのですね!←
いやー、便利便利。
ともあれ、またしても友人に勧められるがまま『SAW』シリーズを見始めました。先日書いた『CUBE』から察せると思うんですが、その友人はホラースリラースプラッターマニアなんですね。とてもいい性格してます。
『SAW』も一時期とても流行った映画なので、名前だけは知っていましたが、実際に見てみると面白い。
犯人ジグソウの『生を尊重しているか?』という問いかけは身につまされますね。
主人公たちはジグソウによって過去の罪を付きつけられ、生き残るために代償を支払うか否かを迫られます。代償は概ね自傷行為が多く、それこそがタイマー付きのえげつないゲームに勝つための唯一の方法でもあります。
僕もこんなレベルのは流石にないですが、どう生きるかを考えさせられる辛い場面というのはありました。にしても、とにかく人間っていうのは順応しちゃう生き物なので、甘い状況にいるとその幸福を当たり前のものとして扱っちゃうんですよね。
痛みや悲しみとして付きつけられたときになって、ようやくその事柄の大事さというのが分かる。文字通り痛感する。
家族が唐突に死んで、お互いを尊重できなかった愚かさに気づいたりというのはよくある話ですね。重大な病気を患ってから生活習慣等を改めたりするのもよく聞きます。
臨死体験をした人がその日を境に性格が変わってしまったというのは、こうやって考えてみると当たり前の話に見えてきます。
順応という能力のために、僕らは常に足を踏み外す。
ジグソウはそのことを最も厳しい形で、つまり『生か死か』を迫ることで、生きていることの幸福さを知らしめようとする。
『SAW』という作品が問いかけるのは、実際にこれほどの過酷な体験をしてなお人間はまた順応してしまうのか? というものかもしれませんね。
ジグソウは、過酷な試練を乗り越えて生まれ変わって欲しいという希望を持っていますが、それは彼の境遇ゆえの極まった形なので……。
人間厄介なのは、反省してもまた順応して煩雑に扱ってしまうことが多々あるということですね。それが果たして程度の問題なのか否か。
今『5』を観終わったところなので、作品を通してその結論が出せたのかどうかまだわからないんですが、それを期待したいところです。
超スプラッターですが、ホラーではないので、グロいのが大丈夫という人は是非。特に『1』の出来は本当に素晴らしいので、苦手な人でも挑戦していただきたいくらい。お勧めです。